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通信業界におけるエッジコンピューティングを理解する

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ネットワークをモダナイズし、新たな収益源を求める多くの通信事業者にとって、エッジコンピューティングの導入は最優先事項です。多くのサービスプロバイダーは、ワークロードとサービスをコアネットワーク (データセンター内) からネットワークエッジ、つまり各拠点やセントラルオフィスの周辺に移動させています。

エッジ・コンピューティングの主な利点の 1 つは、レイテンシーがアプリケーションに与える影響を大幅に軽減できるということです。これにより、ネットワーク上の新しいアプリケーションやサービスがレイテンシーの軽減の恩恵を受けることができ、5G の進歩もあるため既存のアプリケーションの体験を大幅に向上させることが可能になります。

通信事業者にとって、顧客がエッジネットワークで消費するアプリやサービスは収益創出の鍵となりますが、それが成功するか否かは、適切なエコシステムを構築し、ステークホルダーとテクノロジーパートナーの間で正しく調整を行えるかどうかにかかっています。

通信事業者は、エッジ市場でこういった収益機会を獲得するための信頼性、スキル、関係を持っています。エッジ・コンピューティングが持つユビキタスで高帯域幅の接続性を活用したプラットフォームやサービスを通信事業者が開発することで、その顧客は医療提供や緊急時の対応、製造効率、交通渋滞、産業安全などの分野での需要に応えることができるようになります。

通信事業者は、ネットワーク・モダナイゼーションを必要とする複雑な課題に直面しています。ユーザーとデバイスの近くでデータを処理して保存することで、レイテンシーを減らしてアプリケーションの応答時間を改善させながら、ネットワーク運用を単純化し、柔軟性、可用性、効率性、信頼性、スケーラビリティを向上させることが必要です。

柔軟性を向上させるため、通信事業者はネットワーク機能、ビデオストリーミング、ゲーム、人工知能と機械学習 (AI/ML)、ビジネスクリティカルなアプリケーションを実行する、仮想マシン、コンテナ、ベアメタルノードで構成されたワークロードを最適化し、統合することができます。

エッジ・コンピューティングの分散性は、通信事業者の可用性とレジリエンシー (回復力) を向上させることができます。共通の機能やアプリケーションがエッジサイトでローカルに実行されている場合、1 つのサイトで障害が発生しても他のサイトの可用性には影響しません。集中型ソリューションでは、障害が発生した場合サービスを提供しているすべての場所への影響が大きくなります。通信事業者はレジリエンシー (回復力) を向上させることも可能です。機能やアプリケーションに障害が発生した場合、近くのエッジクラウドサイトやサイトのリソースにバックアップを取っておき、それを復旧させることで、障害を軽減または解消することができます。

また通信事業者は、エッジでローカルに処理されたデータの移動やストレージを制限する、州や国の境界をまたいだ複雑なデータ主権のコンプライアンス要件を管理する必要があります。生産されるデータ量が急増しているため、組織はコンピューティングパワーをエッジに分散させてスケーラビリティを向上させなければなりません。そうすることで、ネットワーク、接続、コアデータセンターの帯域幅コストと負担が軽減されます。

ネットワーク機能を仮想化することで、通信事業者はハードウェアから機能を抽象化することができ、従来は高価なプロプライエタリー・ハードウェアを必要としていた機能を標準サーバーで利用できるようになります。Linux コンテナの開発とクラウドネイティブ開発の実践により、通信事業者がハードウェアから機能を抽象化してネットワークをモダナイズする機会はさらに拡大しました。

ネットワーク機能仮想化 (NFV) とは、簡単に言えば企業の IT 仮想化の原理をネットワーク機能のユースケースに応用したものです。仮想化によって任意のサーバ上で複数の種類のタスクを実行できるようになったように、NFV では、ネットワーク機能をソフトウェアに抽象化することで、標準的なサーバ上でネットワーク機能を実行できるようにしています。

コンテナも同様にハードウェアから機能を抽象化しますが、仮想マシンよりもはるかに少ないコンピュートとメモリーのオーバーヘッドで実行でき、環境間での配置転換や移動が容易になります。これは、通常の仮想マシンのように個別のオペレーティングシステムをパッケージ化するのではなく、アプリとそれを実行するために必要なすべてのファイルをコンテナにパッケージ化することで実現されます。

つまり、仮想マシンでもコンテナでも、ネットワーク機能のアプリケーションなら、ネットワーク・オペレーターがネットワーク機能ごとに専用のプロプライエタリー・ハードウェアを用意する必要はありません。NFV を導入したサービスプロバイダーは、既に存在するコンピューティング・ハードウェアを使用してオンデマンドで新しいネットワークサービスとアプリケーションを提供できるようになり、スケーラビリティとアジリティが向上します。

無線アクセスネットワーク (RAN) は、エンドユーザーのデバイスと事業者のネットワーク間の重要な接続ポイントです。多くのネットワークコストがかかり複雑な処理を伴うものの、通信業界のお客様へのエッジや 5G のユースケースが増えるにつれ、需要が急速に増加しています。

ネットワーク機能の仮想化によって通信ネットワークのモダナイゼーションが可能になったように、RAN にも同様の原理を適用することが可能です。業界の未来は 5G への移行に焦点を当てているため、これは特に重要な点です。実際、現在進行中の 5G ネットワークへの移行は、RAN の仮想化 (vRAN) に依存していることが多く、コンテナベースかつクラウドネイティブであることを前提としたものが多くなっています。

オープン RAN により、通信事業者は増加し続けるデバイスや帯域幅を必要とするアプリケーションに対応しながらネットワーク運用を単純化し、柔軟性、可用性、効率性を向上させることができます。クラウドネイティブでコンテナベースのオープン RAN ソリューションは、通常 VM ベースのソリューションよりも低コストで、アップグレードや修正が簡単です。また、水平方向のスケーラビリティが可能で、ベンダーロックインも発生しにくくなっています。

サービスプロバイダーがモバイルワークロードをエンドユーザーに近づけ、スループットを向上させてレイテンシーを低減させた場合、これは新種のモバイルアーキテクチャと考えることができます。このアーキテクチャは、モバイル・エッジ・コンピューティングまたはマルチアクセス・エッジ・コンピューティング (MEC) と呼ばれ、モバイルユーザーとの距離が近いモバイルネットワークのエッジで、通信事業者のお客様にアプリケーションサービス環境を提供します。

その結果、MEC によってアプリ開発者やコンテンツプロバイダーが RAN を利用できるようになり、アプリケーションのレベルだけでなく、ネットワーク機能や情報処理などの低いレベルでもエッジ・コンピューティングを活用できます。

大規模なエッジソリューションの実装は、通信事業者にさまざまな課題を突き付けています。技術的には、エッジテクノロジーは一元的なインフラストラクチャに展開されているのと同じツールやプロセスを使用して管理することができるものの、数百、時には数万のサイトのプロビジョニングや管理、オーケストレーションを最小限の IT スタッフ (またはスタッフなしで) で自動化したいという新たなニーズが生まれています。

これに加え、エッジの階層が異なるとハードウェア・フットプリントのサイズ、物理環境の難易度、コストなど、要件も異なってきます。通常、エンドツーエンドのソリューションを提供できるベンダーは存在せず、さまざまなベンダーから調達したコンポーネント間の相互運用性が重要な成功要因となっています。

組織が今日の市場で競争力を維持するために必要なテクノロジー変革の計画、採用、実装を支援するために、Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) と OpenShift プラットフォームを使用して、オープン・ハイブリッドクラウド・ソリューションをエッジまで拡張しました。エッジデプロイメントのための少量のフットプリントイメージとトポロジーオプションの作成、パワーサイクル/リブート時にアップデートを行うリモートデバイスのミラーリング (ダウンタイムの制限)、低接続性デバイスの OTA アップデート、アップデートにより本番環境に問題が発生した場合にダウンタイムを防止するインテリジェントなロールバックなどが機能に含まれます。

それに加え、OpenShift では、データセンターなどの中央集中ノードで管理可能なリモートロケーションに単一のワーカーノードを配置できる、イベントとリモートワーカーノードのサポートを拡大することで、通信事業者がエッジデプロイメントを採用するための選択肢を増やしています。これらの機能は、AI や 5G を含むさまざまな企業ユースケースにおいて、Samsung や NVIDIA を含む当社の拡大し続けるエッジパートナーエコシステムの上に構築されています。また、主要なパブリッククラウドや複数のデータセンター・アーキテクチャなど、サポートする環境の範囲も拡大しています。

エッジ・コンピューティング・ソリューションには、複数のハードウェアやソフトウェア・プラットフォームにまたがるさまざまなテクノロジーが含まれています。多くのベンダーが、独自のスタックやプラットフォーム上でのみ動作するエッジソリューションを提供していますが、Red Hat のオープンソース・アプローチでは、エッジ向けに最適化された OS として RHEL、エッジ向けのコンテナプラットフォームとして OpenShift、マルチクラスタ・コントロールプレーンとして Red Hat Advanced Cluster Management (ACM) を提供しています。このポートフォリオでは、手動操作を必要としない自動化された機能でエッジを簡単に管理できる性能と、ロックインに対抗する相互運用性を重視しているため、サードパーティ製の必要なコンポーネントを自由に組み合わせて、よりカスタマイズされたソリューションを構築することが可能です。 

Red Hat のオープンソース・ソリューションは、シンプルさ、柔軟性、スケーラビリティ、セキュリティの向上を提供してコアネットワークとサポートシステムの変更をサポートし、関連するすべてのパブリッククラウドとコンピュートハードウェア上で稼働します。また、さまざまなテクノロジーとコミュニティのエコシステムと連携し、お客様のニーズや環境に対応しています。

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ネットワークをモダナイズし、新たな収益源を求める多くの通信事業者にとって、エッジコンピューティングは最優先事項です。

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