概要
Red Hat® Ansible® Automation Platform によるエッジの自動化で、IT 自動化をデータセンターから実際に自動化されているエッジデバイスおよびワークロードに移行できます。
エッジワークロードを自動化する理由
IT 自動化 (インフラストラクチャの自動化と呼ばれることもあります) は、反復可能な命令とプロセスを作成するソフトウェアを使用することで、人間が IT システムを操作する必要を削減するためのアプローチです。適切な自動化プラットフォーム (適切な場所にインストールされて稼働しているもの) は、IT プロビジョニング、構成管理、パッチ適用、アプリケーションのオーケストレーション、セキュリティとコンプライアンスを向上させることができます。
自動化のこれらのメリットは、自動化ソフトウェアが自動化の対象にできるだけ近いところで稼働している場合に、より顕著になります。
たとえば、米国にあるデータセンターで開始される自動化タスクを日本にある建物で実行すると、同じ米国内の建物で実行した場合よりも速度が低下します。自動化ソフトウェアが物理的な実行場所に近いほど (同じ建物、部屋、棚、列など) 、自動化は高速になります。
自動化がネットワークのエッジに展開されると、トランザクションを加速できます。また、1 つのトランザクションを自動化することで加速できるのはわずか数秒 (場合によってはマイクロ秒またはナノ秒) ですが、それらの秒数は加算されていきます。
たとえば、スマートバンドを利用するテーマパークが増えています。訪問者はスマートバンドを使ってパーク内の交通手段、レストラン、小売店を利用し、さらには並んだ列の自分の場所を確保しておくこともできます。すべて、訪問者の体験を向上するための機能です。しかし、これらのメリットを実現するには、スマートバンドをスキャンし、スキャンされた情報を処理するエッジハードウェアで自動化ソフトウェアを実行します。かつては一度に 1 つのデバイスだけで手動で実行されていた運用管理、パッチ適用、オーケストレーションは、Playbook を使用して自動化することができます。
エッジの自動化の仕組み
Red Hat Ansible Automation Platform は、データベースおよびサーバー側のワークロードを自動化するのと同じように、エッジワークロードを自動化します。また、Red Hat Enterprise Linux と Red Hat OpenShift はどちらもエッジデプロイメント向けに最適化されているため、Red Hat Ansible Automation Platform は、ネットワークのエッジにある Linux® オペレーティングシステム (OS) またはコンテナ・オーケストレーション・エンジン上で、完全にサポートされたソリューションとして実行できます。
Red Hat Ansible Automation Platform は、Playbook と呼ばれる自動化タスクのブループリントを使用します。Ansible Playbook は、エッジアプリケーション、サービス、およびサーバーノードのプログラミングができるフレームワークです。Red Hat Ansible Automation Platform は常にコントロールノード (自動化タスクが実行される場所) として実行されるため、店舗販売時点情報管理 (POS)、WiFi アクセスポイント、ネットワークルーター、発券システム、IoT デバイスなど、プログラマティック・アプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) または Linux OS を使用するあらゆるものを自動化できます。