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Azure 上の Red Hat Enterprise Linux を選ぶ理由

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データセンターとクラウド環境間で一貫性のある OS を使用すると、複雑さを克服し、クラウドへの移行を単純化することができます。Red Hat® Enterprise Linux® は、ハイブリッド環境とマルチクラウド環境に一貫した運用基盤を提供するため、アプリケーションを最適な場所で実行し、組織のニーズに最も適したクラウドプロバイダーを選択できます。Microsoft Azure は、クラウドでアプリケーションを構築、管理、実行し、オンプレミスとエッジでサービスを提供する機能を備えたパブリッククラウド・プラットフォームです。Microsoft Azure で Red Hat Enterprise Linux を実行すると、接続されているクラウド環境に組織のデータセンターを拡張できます。

組織がハイブリッドクラウドの利用を開始する理由はさまざまで、拡張性やパフォーマンスの向上を検討している場合や、アプリケーションをパブリッククラウドに配置することでリソースとコストを節約したいと考えている場合などがあります。ハイブリッドクラウドに対してオープンソース・アプローチを取ることで、組織は安心してクラウドに移行できるようになります。また、パートナーのロケーションに柔軟に対応でき、可能な限りシームレスなクラウド移行を実現するために必要な一貫性が得られます。

クラウド・コンピューティングはオープンソースから構築されました。オープンソースは、Red Hat とそのオープン・ハイブリッドクラウドに対するビジョンの中核を成すものです。Red Hat Enterprise Linux があれば、運用、開発、セキュリティの各チームは、ベアメタル、仮想マシン、プライベートクラウド、パブリッククラウド、およびエッジで機能する標準の統合プラットフォームで完全な IT スタックを構築し、管理できます。

クラウドの課題 

IT ランドスケープにクラウド環境を追加すると、複雑さのレベルが上がります。たとえば、機密データを格納しているオンプレミス・インフラストラクチャを管理しつつ、アプリケーション開発用にパブリッククラウドを導入する必要があるかもしれません。 

ハイブリッド環境に対処する場合に直面する可能性がある一般的な課題をいくつか示します。 

  • デプロイメント・フットプリントに一貫性がない:新しい環境では移行の妨げになるものがさらに増加し、デプロイメント全体の複雑さが増します。
  • 開発サイクルにおける摩擦:開発者は、すばやく作業を開始するために、信頼性の高いオペレーティングシステム (OS) イメージのほか、使い慣れたツールチェーン、ライブラリ、コンテナツール、およびランタイムに迅速かつ容易にアクセスできることを求めます。開発者の作業に必要なツールを使用できない複数のプロバイダーのプラットフォームを管理している場合、これは難しくなります。また、クラウドのデプロイメントが減速する可能性もあります。
  • サブスクリプションの管理が困難:クラウドに移行すると、調達、追跡、経理、および総合的なインフラストラクチャ管理がさらに複雑になることがあります。

Red Hat Enterprise Linux サブスクリプション

Red Hat Enterprise Linux は、エンタープライズ向けの信頼性と機能を継続的に提供し、さらに、最適化を行ってクラウドへの投資を最大限に活用できるようにします。オープン・ハイブリッドクラウド向けの柔軟な OS であり、ビジネスイノベーションがどこで起こっても、それに対応するための制御能力、信頼、自由を提供します。

Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを利用すると、以下のことが可能になります。

  • シンプルで最適化された管理:ベストプラクティスとエキスパートによるガイダンスを含めたツールを提供します。 
  • ハイブリッドクラウド全体で一貫したデプロイメント:異なる環境ごとに IT チームがさらに新たなスキルを構築する必要はありません。
  • 開発ライフサイクルへのシームレスな統合:開発チームのすべてのメンバーが必要とするものにすばやくアクセスできるようになり、プロダクションへの道のりをシンプルにすることができます。

Red Hat サブスクリプションにより、Red Hat Enterprise Linux のメリットをすべて享受でき、本番対応のコード、ライフサイクル管理、ソフトウェアの相互運用性に加えて、サポートされる複数のバージョンから選べる柔軟性を活用できます。さらに、エキスパートのコミュニティ、数千に及ぶパートナーナレッジリソース、セキュリティアップデート、およびサポートツールにアクセスできます。これらは他では提供されません。

Red Hat とマイクロソフトは、ソリューションによってクラウドのパフォーマンスを最大限引き出せるように、緊密に連携しています。Azure 上の Red Hat Enterprise Linux を使用すると、相互運用可能なクラウドネイティブ開発機能を備えた、安全性、信頼性、柔軟性に優れたハイブリッドクラウド環境を迅速にデプロイでき、急速に変化する競争の激しい市場で組織を成功に導くことができます。

  • オンプレミスおよびクラウド環境全体でテストされ、認定された相互運用性により、アプリケーションを迅速に起動して拡張し、信頼性、セキュリティ、パフォーマンスを向上させます。
  • ハイブリッド環境全体で機能する高度な統合セキュリティ機能を使用して、データ、アプリケーション、ビジネスおよびインフラストラクチャを保護します。 
  • 従来のオンプレミスのアプリケーションとクラウドネイティブ・ワークロードを、一貫性のある基盤とシームレスに統合します。
  • オンプレミスでクラウドネイティブ・アプリケーションを実行し、エッジ・ソリューションと切断されたソリューションのレイテンシーと接続性の要件を満たします。

Red Hat とマイクロソフトは、ハイブリッドクラウドへの移行のどの段階にあるお客様に対しても、イノベーションと変革を実現するための統合ソリューションを提供します。 

ハイブリッド環境を構築する際に考慮すべき重要なポイントは、セキュリティの確保、コスト管理、効果的なリソース管理、そしてリソースの可用性の保証です。Red Hat Enterprise Linux と Azure は、柔軟性と一貫性という独自の強力な組み合わせを提供し、Red Hat ユーザーがオンプレミスで期待するのと同じレベルの受賞歴のあるセキュリティ、スケーラビリティ、管理容易性、信頼性を備えたハイブリッドクラウドとイノベーションを組織が採用できるようにします。

移行と管理の単純化

Azure 上の Red Hat Enterprise Linux によりワークロードの移行が単純化されるため、OS を変更することなく、リスクとコストを抑えて、より迅速にクラウドに移行できます。IT チームと開発チームは、現在のスキル、プロセス、ツールを引き続き使用して、再トレーニングやその他の修正などによって大きな遅れを生じさせることなく、クラウドとオンプレミスにまたがる環境を管理し自動化することができます。 

Red Hat Insights (Red Hat サブスクリプションに含まれる) は予測分析と詳細なドメイン知識を使用して、セキュリティおよびパフォーマンスのリスクの特定と対処、ライセンスの追跡、コストの管理などの運用タスクを効率化する包括的な管理エクスペリエンスです。このブラウザーベースのツールは、オンサイト環境とクラウド環境で機能するため、追加のインフラストラクチャをインストールしたり保守したりすることなく、単一のインタフェースからすべてを管理できます。付属の Red Hat Enterprise Linux Web コンソールを使うと、ネットワーク環境に配置された Linux サーバーに Web ベースのインタフェースを介してアクセスできるため、日々のシステム管理を単純化できます。

また、Red Hat Enterprise Linux では自動化されたシステムロールにより、セキュリティグループおよびワークフローの最適化と、最小限のリソースによる長期間の維持が容易になります。 

柔軟性

Red Hat Enterprise Linux は、ハイブリッドクラウド向けの柔軟で一貫性のある OS であり、プラットフォームを問わず利用できます。数百のクラウドプロバイダーでの使用が認定されているため、組織のビジネスに最適な IT インフラストラクチャを選択できます。Red Hat Enterprise Linux と Azure は、クラウドでの使用に最適化された共同開発の機能を提供します。また、組織が目標を達成するために必要な選択肢と柔軟性を提供し、クラウドで信頼性の高いセキュリティ重視のパフォーマンスを実現できるよう支援します。 

大規模な認定ソリューションのエコシステムによってハイブリッドクラウド環境のカスタマイズが可能であり、それには SAPマイクロソフトなどのプロバイダーのソフトウェアやサービスも含まれます。 

また、独自の Red Hat Enterprise Linux 仮想マシン (VM) をプロビジョニングしたり、Azure Marketplace からプロビジョニング済みのイメージをダウンロードしたりすることもできます。Red Hat Enterprise Linux にはイメージビルダーツールが付属しており、これを使用すると、ワークロードのニーズに基づいてカスタマイズされた Red Hat Enterprise Linux イメージを作成し、テンプレートとして保存して、クラウドのインベントリーにプッシュできます。すぐにデプロイ可能な Red Hat 認定のゴールドイメージを使用することもできます。環境をさらにカスタマイズするには、Microsoft Azure Hybrid Benefit を利用して、従量課金制 (オンデマンド) と Red Hat サブスクリプションを切り替えることができます。 

組み込みのセキュリティとコンプライアンス

Red Hat とマイクロソフトは、豊富な経験を活かして、Red Hat Enterprise Linux と Azure に高度なセキュリティ機能を組み込んでいます。Azure 上の Red Hat Enterprise Linux は、オープン・ハイブリッドクラウドでワークロードを移動するツールを備えており、デプロイメントからプロダクションまでの道のりを保護し、効率化することができます。 

Red Hat Enterprise Linux はオープンソースのコンテナツールである PodmanBuildahSkopeo と連携するため、開発者はコンテナを簡単に起動し、デプロイを管理し、クラウドでの新規アプリケーションの開発を加速できます。また、アプリケーション・ストリーム、セキュリティコントロール、アップグレード、パッチが含まれており、これらはすべて 10 年間のサポートライフサイクルによって支えられています。モジュール式のパッケージ構造によって攻撃対象領域が減少し、さらに組み込みのセキュリティ機能、業界の規制や政府機関の規制の順守により、クラウド内のシステムが保護されます。

Azure 上の Red Hat Enterprise Linux は、デフォルト設定がベストプラクティスに基づいており、セキュリティが強化されるようにシステムを構成します。Red Hat Insights を使用すると、システムをスキャンして共通脆弱性識別子 (CVE) やクラウドプロバイダーが特定した問題を検出し、スキャン情報を収集し、単一のインタフェースを使用して修復ガイダンスにアクセスできます。また、Red Hat サブスクリプションを持つ Azure ユーザーは、Red Hat 製品セキュリティチームから継続的なサポートを受けられます。 

支払いオプション

Red Hat と Microsoft Azure は複数の購入オプションを提供しており、組織の調達プロセスに最適なオプションを柔軟に選択できます。既存の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを使用 (Red Hat から直接購入) するか、従量課金制 (オンデマンド) で支払うか、Azure Marketplace から直接購入することができます。これらのオプションのいずれでも、Azure の確約利用契約 (Microsoft Azure Consumption Commitment) を活用できます。または、複数のクラウドプロバイダーとオンプレミス・デプロイメントを対象とする Red Hat Hybrid Committed Spend プログラムを選択することもできます。

可搬性

Red Hat Enterprise Linux は可搬性をもたらす基盤を提供するため、ワークロードとデータを常に最適な場所に配置できます。Red Hat Enterprise Linux をすでにオンプレミスで使用しているお客様は、Red Hat Cloud Access プログラムによってサブスクリプションを簡単に Azure に移行できます。また、このオプションは、カスタマイズ可能なイメージや単純化されたサブスクリプション管理など、最適化されたサービスを提供します。ワークロードをデータセンターに戻す場合は、Red Hat Enterprise Linux を使用することで、ワークロードをクラウドに簡単かつ迅速に移動し、必要に応じて組織独自のデータセンターに戻すことができます。プラットフォームを変更する必要はありません。

統合されたサポート

Red Hat とマイクロソフトは統合されたサポートチームを共同で設置しており、Azure プラットフォームで実行されている Red Hat エコシステム用に両社共通の問い合わせ窓口をご用意しています。この完全なサポート体験の特長は、18 の地域に多言語を話すエンジニアを有していること、両社のスタッフを同じ場所に配置していること、チケットシステムが統合されていること、協調的なエスカレーションと解決のプロセスを備えていることです。これにより、受賞歴のある Red Hat のサポート部門を通じて、または Azure サポートチームと連携して、専門知識、ナレッジ、共同サポートにアクセスできます。

Red Hat Enterprise Linux on Microsoft Azure を簡単かつ安全にご使用いただけるようになりました。ニーズに合わせてイメージの種類と料金の支払方法をお選びいただけます。Red Hat 製品を選択し、お客様のニーズに合った方法でその製品を Azure で使用する方法をご覧ください。

Red Hat Enterprise Linux をすでに使用している場合:Red Hat サブスクリプションのメリット (受賞歴のあるサポート等) はそのままで、Red Hat Cloud Access によりサブスクリプションを Azure に移行できます。 

Azure をすでに使用している場合: Azure Marketplace での Red Hat Enterprise Linux の購入に確約利用料を充てることができます。 

どちらも初めて使用する場合: Red Hat Enterprise Linux と Azure でクラウドを開始する際のすべてのオプションを以下でご確認ください。 

Red Hat Enterprise Linux Server

アップストリーム・コミュニティとの緊密なコラボレーションにより、多くのユースケースに対応する信頼性の高いプラットフォームと、物理、仮想、およびクラウドのデプロイメントにわたって一貫したアプリケーション環境がもたらされます。

Red Hat Enterprise Linux for SAP Solutions

Red Hat、Azure、SAP が連携して SAP アプリケーション、プラットフォーム、およびデータベースのプロダクション・デプロイメント用の Red Hat 製品と Azure 製品を認定し、クラウドベースのデプロイメントの価値実現までの時間の短縮、運用効率の向上、高レベルのセキュリティを実現します。

Azure Marketplace を探索する

Azure Marketplace でコストの計算と Red Hat Enterprise Linux の購入ができます。

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Linux は、OS の基本コンポーネントであるカーネルと、そこにバンドルするツール、アプリケーション、サービスで構成されるオープンソースのオペレーティングシステムです。

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Linux カーネルとは、Linux オペレーティングシステム (OS) の主要コンポーネントで、コンピュータのハードウェアとプロセスとの間のコアインタフェースです。

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