タイポグラフィー
語句の選定はブランドのボイスの重要な要素ですが、使用するフォントも重要です。語句の外観によって伝達するメッセージを強調できます。Red Hat® のフォントファミリーは、書体デザイナー Jeremy Mickel 氏がデザインチームと協力して Red Hat ブランド向けに設計したものです。
このフォントファミリーでは、各文字は完全な円と太さの等しい直線で構成されています。その結果、幾何学的で合理的に作成されたフォントに、ブランドの歴史から感じられる人間味が加わりました。個々の文字が持つ開放的な感じと、文字間の狭いスペースが良いバランスになっています。
Red Hat のフォントは SIL International ライセンスのもとでオープンに許諾されるフォントで、誰もがダウンロードして使用できます。
Red Hat のフォントは次の方法で使用できます。
- テンプレートにプリロード済みのフォントにアクセスします。
- Google Fonts オプションに追加します。
- Red Hat 発行のコンピュータにプリインストール済みのフォントを見つけます。
Red Hat フォント
Red Hat Display
Red Hat Display は見出しやインパクトのあるフレーズに使用されます。Red Hat Display は大型サイズ向けなのでブランドの個性とボイスに大きな影響を与え、ストロークが均一で文字間隔が狭く、文字は縦長でオープンです。使用するフォントに迷う場合は、Red Hat Display を使用してください。
Red Hat Text
Red Hat Text は Red Hat Display からあらゆる個性を取り入れていますが、より条件の厳しい用途に最適化されています。ホワイトペーパーの段落や、インタフェースのツールチップで使う小さな文字などがとても読みやすくなります。
小さなサイズでも読みやすさを向上させるため、Red Hat Text は大文字と小文字の高さにの差を大きくし、細い文字の間隔を広げ、線の太さに変化を付けています。
Red Hat Mono
Red Hat Mono は等幅フォントで、コードを自然言語テキストと区別するために作成されました。Red Hat の技術的な面を具現化し、通常はコマンドラインに使用されるものと同じ活字スタイルを使用します。Red Hat Mono は、コードサンプルや、テクノロジーおよび開発に関連するコンテンツに使用できます。
Red Hat Mono は近日中にダウンロード可能になります。
グローバルな書体
Red Hat Display と Red Hat Text はさまざまなラテン文字セットをサポートしているので、ほとんどのヨーロッパ言語で使用できます。その他の言語 (中国語、日本語、韓国語、キリル文字など) については、Noto Sans フォントファミリーを使用してください。
Noto は Google によるオープンライセンスのフォントファミリーで、フォントでサポートされない文字が「豆腐」と呼ばれる小さい四角形に置き換わることがないよう、すべての言語をサポートすることを目的としています。シンプルかつクリーンな印象のデザインで、Red Hat の書体ファミリーとは好相性です。
Red Hat Display、Red Hat Text、Red Hat Mono、Noto Sans をダウンロードして、Red Hat の資料を作成します。
Red Hat Display、Red Hat Text、Red Hat Mono、Noto Sans 以外のフォントを Red Hat の資料に使用しないでください。
Red Hat での書体の使用
情報をただ伝えるために書体を使用するときでも、表現豊かなデザイン要素として使用するときでも、Red Hat だと認識できる外観でなければなりません。
センテンスケース
Red Hat 資料では、大文字のみやタイトルケース (すべての単語の 1 文字目を大文字で表記) ではなく、見出しを含めてセンテンスケース (文の最初の単語の 1 文字目のみを大文字で表記) を使用します (役職にはタイトルケースを使用します)。すべて大文字で入力すると、叫んでいるか過度に攻撃的に見えます。センテンスケースのほうが信頼でき、フレンドリーかつ現実的で、大文字にした単語を際立たせることができます。単語の大文字化のガイダンスについては、Red Hat のコーポレート・スタイルガイドを確認してください。
Red Hat の資料では、見出しであっても常にセンテンスケースを使用します。
大文字ばかりにしないでください。
強調
コンテキストで語句を強調するには、太字やイタリック体を使うか、テキストを承認済みブランドカラーに変更します。ただし、一度に使うスタイルは 1 つだけです。デジタル媒体では強調に太字を使い、紙媒体ではイタリック体を使います。プレゼンテーション、広告コピー、ソーシャルグラフィックではこの 3 つのどれでも使用できますが、使えるのは一度に 1 つだけです。
階層または強調を示す方法は 1 つだけ使用します。
同時に複数の書体を強調に使用しないでください。
空白
あらゆるデザインで要素の周囲にある余白は空白と呼ばれます。空白を効果的に使用すると、メッセージが強調され、ブランド個性の重要な特性を表現するのに役立ちます。
空白を十分に確保すると、ブランドがオープンで魅力的に感じられ、1 つまたは 2 つの主要メッセージに集中できます。あらゆるスペースに要素を配置すると自信に満ちた大胆な感じをブランドに与えます。
十分な空白を使用してテキストは最小限に留め、余白を残します。
狭いスペースに大量のテキストを詰め込んだり、余白を減らしてテキストを配置してはいけません。
機能性書体
機能性書体は情報を伝達し、主にプレゼンテーション、レターヘッド、テンプレート、カタログで使用します。機能性書体は読みやすく、識別しやすく、明快です。文字の編集や移動はしません。技術的情報を説明する段落など、小さくても情報を伝達できます。見出しなどでは、はっきりと主張します。
推奨サイズ
紙媒体の場合、14 ポイント以下の文字に Red Hat Text、14 ポイント以上の文字に Red Hat Display を使用します。
デジタル媒体の場合、18 ピクセル未満の文字に Red Hat Text、18 ピクセル以上の文字に Red Hat Display を使用します。
本文には Red Hat Text、見出しには Red Hat Display を使用します。
本文に Red Hat Display を使ったり、見出しに Red Hat Text を使ったりしないでください。
大きな文字を効果的に使用します。
テキストを収めるためだけに文字を小さくしてはいけません。
推奨される位置合わせ
推奨される位置合わせ
左揃え
これが基本です。左揃えは明確で合理的です。段落、ロゴ、Web コンテンツ、あらゆるタイプのカタログは、左揃えにします。
中央揃え
中央揃えはプレゼンテーションのヘッダーやキャプションなどに使用され、中心に注意を向けさせます。本文や、30 語を超える見出しには向いていません。
右揃え
右揃えは、カタログの狭いサイドバーなど、コンテキストで必要とされる場合に限って使用します。
両端揃え
テキスト本文の両端揃えは絶対にしてはいけません。テキスト内に見苦しい隙間が空き、Red Hat のどの用途にも適していません。
推奨されるトラッキングとレディング
トラッキングとは、文字の間隔です。Red Hat フォントファミリーのトラッキングは、識別しやすいように最適な視覚的密度に設定されています。
フォントのデフォルトのトラッキングを使用します。
トラッキングを変更しないでください。
レディングはテキストの行間隔で、読み取りやすさとタイポグラフィーの効率を向上するために調整できます。行間隔が広すぎたり狭すぎたりすると読みにくくなるため、適切なレディングの選択は重要です。
小さいサイズの書体には、1.2 倍から 1.5 倍のポイントの自動レディングを使用します。
1.5 倍を超えるポイントサイズのレディングは使用しません。
書体が 150 pt を超える場合は、1.1 倍のポイントのレディングを使用します。
大きなテキストの場合、間延びして見えるので自動レディングは使用しません。
引用符、アポストロフィー、フィートおよびインチ記号
引用符、アポストロフィー、フィートおよびインチ記号は似ていますが、別のものを指します。Red Hat フォントファミリーでは引用符とアポストロフィーに傾斜した記号を使用します。フィートやインチを示すには縦方向の直線のマークを使用します。これらの記号は相互に交換して使用することはできません。
Web 上の書体
Web の資産では、Red Hat Display をヘッダーと CTA (call to action) に使用しますが、本文には Red Hat Text を使用します。また、Red Hat Display はバンドのヘッダーコピーに、Red Hat Text はバンドのサブヘッドコピーに使用します。
表現力のある書体
書体はただ情報を伝えるだけではありません。注目を引き、アイデアを強調し、語句の字義的な意味を補完します。表現力のあるタイポグラフィーは、テキストよりも画像の性質を重視して様式化された書体を使用します。ただの書体ではできない方法で感覚や感情を引き出します。
表現力のある書体は、ロゴに似ていてはいけません。ロゴは自己完結型で多くのコンテキストで使用できますが、表現力のある書体は自己完結型ではなく、使用されるコンテキストに適応します。いろいろなアイデアを試してみてください。ただし、表現力のある書体を使うと翻訳、編集、カスタマイズがさらに複雑化することに注意してください。
テキストの行を変えて階層を表します。
角張ったテキストは使用しません。
文字の形状を維持できる場合に限り、書体をカスタマイズします。
文字の形状を変更するような方法で引き伸ばしたりゆがめたり、変形させてはいけません。
すべての表現力のある書体は Red Hat フォントをベースとして使用します。
Red Hat フォントに従わない手書きのレタリングを使ったり作成したりしてはいけません。
書体の色やウェイトを変化させて階層を作成します。
語句または語の一部を強調するために、大文字と小文字を混在させたりすべて大文字にしたりしてはいけません。
フォントへのコントリビューション
Red Hat では、オープンなデザインが重要です。オープンソースへのアプローチがソフトウェアの獲得と開放からさらに拡大しているからです。私たちにとって有益なものを作成して共有できれば、誰か他の人にとっても有益になると考えています。そのため、誰もが使用して学習し、改良していけるフォントを作成しました。ただし、Red Hat ブランドの付いた資料ではこれらのオープンソースフォントを使用しないことを念頭に置いてください。
Liberation は、オープンツールとプロプライエタリーのオフィスツールとでドキュメントをやり取りする場合に生じるフォーマットの問題を解消する目的で 2007 年に作成されました。Liberation Sans、Liberation Sans Narrow、Liberation Serif、Liberation Mono という 4 つの TrueType フォントファミリーがあります。
Overpass は 2016 年に作成されて以来、何度か拡張されています。Highway Gothic をベースとし、元々米国のハイウェイの標識に使われていたフォントで、Thin、Light、Light Italic、Regular、Regular Italic、Semi-Bold、Bold、Extra-Bold、Black などの 20 種類のスタイルがあります。
2018 年の「Because we had to」シリーズの記事用に手書き風のフォントファミリーを作成し、オープンソース化しています。スタイルは 6 種類あり、それぞれが記事で特集している技術分野の女性を表現しています。