概要
Kogito は、オープンソースでエンドツーエンドのビジネスプロセス自動化 (BPA) テクノロジーで、先進的なコンテナ・プラットフォームでプロセスベースおよびルールベースのクラウドネイティブ・アプリケーションを開発、デプロイ、実行するために作られました。
ハイブリッドクラウド環境向けに最適化されており、ドメイン固有のサービスでクラウドネイティブ・アプリケーションを構築する開発者に柔軟性を提供します。
豆知識
Kogito という名前は、ラテン語の「Cogito ergo sum (我思う、故に我あり)」の「Cogito」に由来しています。「K」を使っているのは、このツールの基盤である Kubernetes に敬意を表すためです。
Kogito とは
Kogito (コジトと読む) は、開発者が複雑なビジネスプロセスと意思決定を自動化、最適化、および管理するためのインテリジェントなクラウドネイティブ・アプリケーションを構築するのを支援します。
ビジネスプロセスの自動化は目新しいことではありません。プロセスや意思決定をベースとするアプリケーションは、何年も前から存在しています。BPA システムは、保険金請求の送付からコーヒーショップでの顧客の注文の処理に至るまで、ビジネスプロセスの管理と自動化を支援します。しかし、多くの BPA ツールは、クラウドネイティブ・プラットフォームを念頭に置いて開発されたものではありません。Kogito は、クラウド・コンピューティングでの使用に十分に適応していない従来のシステムとは異なり、特にクラウドネイティブ・アプリケーション開発向けに設計されています。
Kogito のメリット
Kogito は、信頼できるビジネス自動化の Knowledge Is Everything (KIE) プロジェクトを利用して、ビジネスプロセス管理 (BPM) に次のような柔軟なオープンソース・ソリューションを提供します。
- Drools:ビジネスルール管理向け
- jBPM:ビジネスプロセス向け
- OptaPlanner:リソースプランニングおよびスケジューリング向け
Kogito を卓越したものにしているのは、そのクラウドファーストのランタイム環境です。従来のビジネスプロセス管理システムは極めて大規模な場合があり、主に物理的なデータセンターにデプロイされています。Kogito は、最先端のクラウドネイティブ・テクノロジーを活用するだけでなく、従来の BPM システムとのブリッジングも可能です。
Kogito は、Red Hat® Openshift®、Kubernetes、Quarkus、Knative、 Apache Kafka などの多くのオープンソース・テクノロジーに対応します。
開発者は、既存のツールとワークフローを使用して Kogito サービスを構築およびデプロイし、ローカルサーバーでテストする、あるいはクラウドにプッシュすることができます。Quarkus の開発モード機能はローカルテストに役立ち、また、高度なデバッグツールが含まれています。
Kogito はビジネスドメインに適応するため、開発者がツールキットに合わせてドメインを変更する必要はありません。これにより、開発者は、事前定義済みのプロセスと意思決定に基づいて、ドメイン固有のアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) により Kogito サービスを公開できます。サードパーティや内部の API は不要です。
Kogito は最新のクラウドベースのテクノロジーで実行されるため、コンテナ・プラットフォームでのスケールアップやスケールダウンは容易かつ自動的に行われます。Kogito は需要に応じてコンテナ数を増やしたり、減らしたりすることができ、さらにはゼロにすることもできます。
Kogito は、開発者が柔軟に作業できるように設計されています。そのコマンドライン・インタフェース (CLI) は、Linux、Mac、および Windows オペレーティングシステムでのコマンドと操作をサポートします。開発者は Kogito を使用して、Decision Model and Notation (DMN)、Drools Rule Language、XLS(X)、またはこれら 3 つすべての組み合わせにおいて意思決定サービスを構築できます。
Kogito のメリットは長期的にも発揮されます。ビジネスプロセスの自動化は、組織のデジタル・トランスフォーメーション戦略の重要な部分です。
Red Hat と Kogito
Red Hat と Kogito オープンソース・コミュニティのパートナーシップは、組織の IT チームによるビジネスプロセスと意思決定の管理、自動化、監視を可能にするという共通の目標を反映しています。Red Hat Decision Manager には Kogito が組み込まれており、アプリケーション環境で Kubernetes やその他のコンテナを使用して、コンテナ化されたマイクロサービスとして個々のビジネス意思決定を作成およびデプロイすることが可能です。これにより、Red Hat OpenShift のようなクラウドネイティブ環境にデプロイされた場合、従来の意思決定管理システムと比較して、冗長性が減少し、フットプリントが削減されます。
Red Hat Process Automation Manager は、より包括的なビジネス自動化ポートフォリオを提供し、組織が既存の知識、投資、およびビジネスモデルを維持しながら、デジタル変革されたクラウドネイティブな未来に向けて機能を構築できるようにします。