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テクノロジー需要の変化に直面して、地方自治体も連邦政府も同様に、既存インフラの運用を維持しながら、先進テクノロジーによるコミュニティ支援へのニーズの高まりに対応するのに苦労するかもしれません。こうした先進テクノロジーには、5G、人工知能 (AI)/機械学習 (ML)、モノのインターネット (IoT) が含まれます。これらはすべて、一層の高速化と効率化を実現するより優れたサービスへの需要を満たす重要な要素ですが、厳しい IT 要件も伴います。5G インフラストラクチャだけをとっても、かつてない広さの物理的設置面積を道路や建物に確保することが必要になります。これは、5G ネットワーク上で動作すると予想される多数の IoT デバイスに対応するためです。デバイスの数は、1 平方キロメートル (およそ 4 街区分) あたり 1,000,000 台にも達すると予測されています。

IoT や 5G のテクノロジーは、スマートシティを構築するための重要な要素です。スマートシティでは、センサー、カメラ、専用の接続デバイスからのデータをリアルタイムで処理して、交通渋滞の管理、犯罪防止、資産のメンテナンスに関する洞察と支援を提供する必要があります。しかし、スマートシティは、公共機関に大きく立ちはだかる課題の一要素にすぎません。さらに大きな問題は、これらの組織がコアデータセンターの外側、つまり文字通りネットワークのエッジにおけるコンピューティング需要にどのように対処するのかということです。さらに事態を複雑にするのは、Kubernetes コンテナ管理プラットフォーム上で、ますます多くのマイクロサービスベースのクラウドネイティブ・アプリケーションが 実行されるようになったこと、つまり従来の IT 運用の方法が大きく変化していることです。

新しいテクノロジーによって、過去に例をみないほど需要が高まっています。そんな中、次世代への対応だけでなく、内部 IT チームが維持できるオープン技術標準への継続的な取り組みを模索する公共機関にとって、この未知の状況への対応はかなりの難題となる可能性があります。

Red Hat では、IoT、ML、その他の先進テクノロジーなどのイノベーションを、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)、Red Hat Ceph StorageRed Hat OpenShift などのオープンな標準プラットフォームでサポートする必要性を認識しています。これらのソリューションは、さまざまなアプリケーションを実行でき、現在 (および将来) の IT 課題の分析および対処に必要な、多くのインテリジェント・ソリューションの基盤として機能します。

従来のハードウェアでは、多くの場合、こうした需要にタイムリーに対応するのは困難です。コンピュータシステムは現在、データ分析や AI などの分野で見られる計算集約型の操作をサポートする、特殊な機能を提供することが求められています。当社のパートナーである NVIDIA は、集中的なコンピューティングタスクに取り組むために、特殊な計算リソース (GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット) を使用してワークロード処理を高速化するハードウェアおよびソフトウェアで、この課題への対処を支援します。

これらのワークロード高速化コンポーネントの使用は、複雑に思えるかもしれません。しかし実際のところ、Red Hat と NVIDIA は、基盤となるハードウェアを概念化し、デプロイを単純化するプラットフォームを提供すべく協力しています。私たちは共に、ミッションクリティカルなタスクのためのバックオフィス・インフラストラクチャの一部として実行できるほか、ネットワークのエッジにあるデバイスでも同じように実行できる、標準化された身近なソフトウェアスタックの提供に取り組んでいます。

Red Hat は長年にわたり、パートナーによる当社のオープンソース・ソフトウェア・プラットフォームに基づくソリューションの構築を支援してきました。では、NVIDIA とのコラボレーションは何が異なるのでしょうか?

NVIDIA と Red Hat は、堅牢でスケーラブルなソフトウェアスタックに基づく、標準化された利用しやすいインフラストラクチャを提供する必要性を認識しています。NVIDIA は、市場でトップレベルの性能を誇る GPU ハードウェアを製造するだけでなく、一貫したソフトウェアスタックを提供する最前線に立ち、さまざまな業界や業種で高速コンピューティングを可能にしてきました。NVIDIA CUDA 並列コンピューティング・アーキテクチャ、CUDA-X ライブラリ、およびソフトウェアツールは、クレジットカードサイズの Jetson Nano から大規模な DGX-2 AI スーパーコンピューティング・システム に至るまで、さまざまなプラットフォーム上で実行されます。これらの革新的なハードウェア・プラットフォームとそれに付随する CUDA ソフトウェアは、120 万人を超える開発者のコミュニティに採用され、AI からハイパフォーマンス・コンピューティング、通信業界に至るまで、幅広い領域でアプリケーションの高速化に活用されています。

NVIDIA と Red Hat は、複数の OEM パートナーと協力して、AI のデプロイを加速する事前設定済みハードウェア・ソリューションおよびソフトウェア・ソリューションをエンドユーザーに提供しています。これらのソリューションを使用すると、開発者は、選択したプログラミング言語とフレームワークを使用して、アプリケーションや AI/ML モデルを一層効果的に設計、テスト、検証できます。また、実稼働環境へのデプロイまでの道のりを短縮するほか、インフラストラクチャ内で計算負荷が高い AI アプリケーションを効率的に管理および維持できるよう、IT 担当者を支援します。

Red Hat と NVIDIA は、NVIDIA の製品ポートフォリオ全体で RHEL と OpenShift を利用可能にする取り組みを進めています。製品ポートフォリオには、極めて複雑な AI の課題に対して高いトレーニング・パフォーマンスを実現するように設計された DGX サーバーシリーズも含まれます。さらに、Red Hat と NVIDIA は最近、エッジコンピューティングがもたらす一連の課題に対処するように設計された NVIDIA EGX プラットフォームのサポートを発表 しました。これらの EGX システムは、拡張現実および仮想現実 (AR/VR)、IoT、遠隔医療といった高価値の AI 対応サービスを実行します。また、5G 実装のために通信ネットワークのエッジにデプロイできます。EGX 上で動作する GPU 高速化 5G 無線アクセスネットワーク・ソフトウェアの開発者キットである NVIDIA Aerial に対応することで、Red Hat および NVIDIA は通信事業者による完全に仮想化された 5G RAN ネットワークの構築 を可能にします

元来、Red Hat は、高速化および標準化されたデータサイエンス、ML、ディープラーニング (DL) のワークフローをデータセンターからエッジに至るあらゆる場所に導入することで、すべてのドメインにわたる AI インフラストラクチャのデプロイを単純化することを目指しています。Red Hat は、AI インフラストラクチャの未来はクラウドネイティブのオープンソース・テクノロジーに依拠するものと確信しています。この未来を実現するために、引き続き NVIDIA と協力して取り組みます。

GTC DC 2019 での Red Hat

2019 年 11 月 5 − 6 日にワシントン DC で開催される GPU Technology Conference (GTC) では、Red Hat と NVIDIA がオープンソース・ソリューションの分野でどのように連携して新たなワークロードを促進するかについて、当社ブース (ブース #208) で紹介します。Red Hat 専門家チームが質問に回答し、Red Hat 製品ポートフォリオ に関する詳しい情報を提供する予定です。

このイベントで、Red Hat は Accelerating AI and Machine Learning with Containers and the Kubernetes Platform from Red Hat というセッションを開催します (11 月 6 日水曜日、午後 2 時から午後 2 時 25 分まで、Oceanic ルームで開催)。

また、以下のデモンストレーションもご覧いただけますので、ぜひ Red Hat ブースにお立ち寄りください。

  • OpenShift 上で実行されるスマートシティ向けの NVIDIA Metropolis アプリケーション・フレームワーク
  • OpenCV および PyTorch を使用した NVIDIA GPU 高速化 RHEL ベースコンテナを実行する、リアルタイムのオブジェクト検出
  • NVIDIA GPU を使用した OpenShift クラスタ上で実行されるニューラルネットワークによる花画像の推論

執筆者紹介

Yan Fisher is a Global evangelist at Red Hat where he extends his expertise in enterprise computing to emerging areas that Red Hat is exploring. 

Fisher has a deep background in systems design and architecture. He has spent the past 20 years of his career working in the computer and telecommunication industries where he tackled as diverse areas as sales and operations to systems performance and benchmarking. 

Having an eye for innovative approaches, Fisher is closely tracking partners' emerging technology strategies as well as customer perspectives on several nascent topics such as performance-sensitive workloads and accelerators, hardware innovation and alternative architectures, and, exascale and edge computing.  

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