クラウドの自動化とは

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クラウドの自動化では、ソフトウェアを使用して、クラウド・コンピューティングのリソースとインフラストラクチャの構成、デプロイ、プロビジョニング、管理を行います。クラウド自動化の目的は、これらのプロセスにおける人間の作業を削減し、高速化、効率化、エラーの低減を実現することです。

クラウド・コンピューティング

クラウド・コンピューティングとは、クラウド内でワークロードを実行する行為です。これは、ネットワーク上でスケーラブルなリソースを抽象化、プール、共有する IT 環境です。クラウド・コンピューティングもクラウドも、それ自体はテクノロジーではありません。

  • クラウド・コンピューティングは行為であり、クラウド内でワークロードを実行する機能です。
  • クラウドは環境であり、アプリケーションが実行される場所です。
  • テクノロジーはモノであり、クラウドを構築し、使用するためのソフトウェアとハードウェアです。

自動化

自動化とは、人間による作業を削減できるテクノロジーを使ってタスクを実行することです。自動化は、プロセスの迅速化と環境のスケーリングに役立つだけでなく、継続的インテグレーション、継続的デリバリー、継続的デプロイメント (CI/CD) ワークフローの構築を促進します。自動化には、IT 自動化ビジネス自動化ロボティックプロセス自動化、産業自動化、人工知能機械学習ディープラーニングなど、さまざまな種類があります。

ハイブリッド環境とマルチクラウド環境では、インフラストラクチャ、ネットワーク、アプリケーション、ユーザー管理の複雑性が一段と増します。IT チームはオンサイトとクラウドベースの両方の環境を管理する必要があり、それぞれに専用の管理ツールを使用することが一般的です。このため、リソースとアプリケーションを手作業で効果的に維持、追跡、スケーリング、セキュリティ保護することはほぼ不可能です。自動化は、ハイブリッドとマルチクラウドの管理をプロセスとポリシーの 1 つのセットに統合して、一貫性、スケーラビリティ、速度を向上できます。

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マルチクラウドのスケーリング

マルチクラウドとは、複数のクラウドベンダーから提供される複数のクラウドサービス (パブリックまたはプライベート) で構成されるクラウドの手法です。クラウドプロバイダーはそれぞれ固有のクラウドリソースの運用と管理のために、専用ツールを提供しています。これらのツールは直接相互運用することはまずないため、IT チームがクラウドごとに異なる方法でプロビジョニング、管理、保守を行う必要があります。自動化により、マルチクラウド環境の管理の一貫性が増します。すべてのクラウド上でリソースをコード化する自動化資産を作成して、使用するクラウドの種類にかかわらず、所定の処理に対して 1 つのアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) を提供できます。

ハイブリッドクラウドの統合

ハイブリッドクラウドは、2 つ以上の環境にわたるワークロードの可搬性、オーケストレーション、および管理をある程度組み入れた IT アーキテクチャです。こうした多様性は、IT チームによる両クラウド・インフラストラクチャの統合と一貫したサポートを困難にする原因となります。自動化プラットフォームは、既存のオンサイトシステム、現在のクラウドリソース、および将来の資産に同じ自動化コードを適用して、一貫性と運用上の統合を実現できます。

効率的なガバナンス

クラウドガバナンスは、クラウドサービスおよびシステムの一貫したパフォーマンスを促進するポリシーのフレームワークを定義し、実装し、監視するプロセスです。クラウド環境は手動による制御では追いつかないほど迅速に拡張する場合があるため、効率的なガバナンスは自動化によって可能になります。統合された自動化プラットフォームにより、IT チームはインフラストラクチャとリソースの使用を最適化し、ビジネス継続性を維持し、組織全体でコンプライアンスを適用できます。

自動化されたタスクのオーケストレーション

クラウド・オーケストレーションは、クラウド管理タスクの自動化を整理して、上位のワークフローにするプロセスです。チーム間やドメイン間にまたがる、統合されていない自動化タスクをより効率的なエンドツーエンドのワークフローに凝縮すると、プロビジョニングのミスを排除し、アプリケーションとインフラストラクチャの間で一貫したコミュニケーションを維持し、ハイブリッドクラウドでガバナンスポリシーを適用できます。

クラウド運用を自動化する方法はこちら

Datacom

Datacom は自動化によってサービス提供を変革し、社内運用を効率化しました。これにより、ハイブリッドクラウド環境で運用効率が 20% 向上した実績があり、長期にわたって順応できる柔軟なプラットフォームを顧客に提供しました。

Ascend Money

Ascend Money は、アプリケーション開発およびデプロイメントのための自動化された中央プラットフォームを構築しました。これにより、全地域で運用が単純化され、一貫性の向上と規模の拡大にも成功しました。また、タスクの実行にかかる時間は 57% 短縮されました。

ワークロードをどの種類のクラウドにデプロイするかにかかわらず、そのワークロードはオープンソース・テクノロジーを使用してデプロイする必要があります。Red Hat® Ansible® Automation Platform のサブスクリプションは、エンタープライズをハイブリッドクラウドの規模で自動化するために必要なツール、サービス、トレーニング、サポートと、エンタープライズ向けに強化されたオープンソース・イノベーションを提供します。また、クラウドのデプロイメントで、特によく利用されるインフラストラクチャ・ベンダーやクラウドプロバイダー間での高い互換性が得られます。 

この種の相互運用性により、使用するすべてのクラウド・プラットフォームで同じ自動化プラットフォーム、Playbook、またはモジュールを使用できます。Red Hat Ansible Automation Platform で、プライベートクラウド、オンプレミス・データセンター、エッジロケーション、その他のパブリッククラウドに自動化を拡張できます。ビジネスを行う場所は問いません。

Ansible Automation Platform がどのようにクラウドデプロイメントの自動化を単純化する方法をご覧ください。動画の再生時間:2:33

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Ansible モジュールは、ローカルまたAPIやリモートで自動化タスクを実行する小さなプログラム。数千ものモジュールの使用や、カスタムモジュールの作成や共有が可能です。

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Ansible Role は、既存のファイル構造を利用してタスクと関連アセットをグループ化する手法。自動化コンテンツをバンドルし、Playbook 間での再利用や共有を可能にします。

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Ansible Rulebook とは、条件付きルールセットであり、イベントを検出し、条件に合えば特定の処理を Event-Driven Ansible に指示し、人が介在しない自動化を実装します。

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